斉藤デンタルブログ

大人の階段

2016年12月21日 (水)

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今年も残り少なくなってきましたね。

この時期になると、毎年のことですが

「今年の 10大ニュース」

「流行語大賞」

「今年の漢字」

といった、

この一年を振り返る趣旨のイベントがマスコミを賑わしますが、

それが「年の瀬」というものなのでしょうか。

 

 

(診療室内のクリスマスディスプレイです)

 

話は変わりますが、「業界新聞」ってご存知ですよね。

我々歯科医療業界にも、いわゆる「業界新聞」が存在していて、

 

こんな感じの新聞で「日本歯科新聞」と言います。

朝日、読売などの一般的な新聞もそうですけど、

新聞なんて日々のものですから、

記事を読み流しては読み捨てていくのが

通常の新聞の取り扱いだと思います。

たまに新聞記事のメモを取ったり切り抜きをしたりしますが

大半はゴミ袋の中に消えていくことになります。

 

(当院の ウィンドウ・ディスプレイ−クリスマス・バージョン です)

さて、時は師走。

大そうじの時期となり、

この一年の間に身の回りに溜まった色々なモノの

取捨選択と整理整頓をする季節になりました。

新聞記事の切り抜きの整理もその一つです。

一部は手帳にメモしたり、パソコンに入力したり、ですが、

大部分は惜しみつつもゴミとして処分していくことになります。

後ろ髪を引かれるような、一瞬、心が苦しくなるのですが、

思い切って、

紙クズとなった塊をゴミ箱に放り投げていくことになるのです。

新聞記事の切り抜きの大半は年末になると、

そのような運命をたどっていきます。

しかし、ごく稀に、ではあるのですが、

もうしばらくの間、手元に置いておきたいものもあるのです。

そんな

「今年、私が捨てられなかったもの」

または、ある意味

「私が選ぶ、今年の ベスト・エッセイ 」

とも言えるものを紹介させていただきたいと思います。

先ほど話題に出た「日本歯科新聞」(毎月4回、火曜日発行)には

月に1回、『はなはなし』というコラムが設けられ、

そこには多種多様な文筆家のエッセイが掲載されます。

今年の8月だったかと思いますが、

甲斐 みのり さんという方がそのコーナーを担当されていて

その方の書いた文章がまさに

「今年の ベスト・切り抜き」

に輝いたのです。

 

 

大人の階段

十代の頃、大人の階段をのぼったと自覚し

た瞬間が幾度かあった。初めてさして用もな

く、ひとりで喫茶店に入ったとき。先を急い

でタクシーを止めたとき。細かく思い出すと

「ああ、あのときも」ときりがない。

最も古い記憶は、小学校に入る少し前。今

まで泣きわめいていた歯科医院で、その日は

涙を流さず治療を終えることができて、何よ

り自分が驚いた。大きめのスリッパをバタバ

タと鳴らしながら診察室をあとにするとき、

昆虫の目や脚のような機器への怖気も薄れ、

入室時とは景色が違って見えたのだった。

虫歯治療に通いはじめて数回目。「もう私

にこの子は無理です」と、先生にサジを投げ

られた。小さな体で腹の底からぎゃあっと叫

び、抵抗していたのだから仕方がない。新し

い歯科へ向かう道すがら「泣かずにいたら、

ご褒美を買ってあげる」母に甘やかされてう

なずくも、約束を守れる自信はなかった。け

れども治療室で初めて会う柔和な笑顔の紳士

的な先生を前に、必ず涙を堪えてみせると、

むくっと意気地が湧いてきた。家族は私がお

もちゃ欲しさに痛みに耐えたと解していたが、

思えばあれは初恋にも満たない拙い慕情だ。

無事に治療を終えたとき、もう先生に会えな

いのかと、泣きたい気持ちになったのだから。

 

 

( クリスマスディスプレイ・ナイトモード です)


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